いなげ司法書士事務所
Q1サラ金業者から詐欺で訴えると脅迫されたが・・・
〜詐欺で訴えられることはまずない〜
サラ金業者は、よく『詐欺罪で告訴するぞ!』などと脅してきますが、実際に告訴するつもりはほとんどの場合ないでしょう。
要は、詐欺をちらつかせて債務者を脅して不安にさせて、債権を回収しようとしているのです。
だからといって、始めから返済する気がないにも関わらず、サラ金業者からお金を借りたのであれば、それは詐欺罪に該当します。
しかし、多重債務者によくみられるのですが、返済のために他の業者から新たに借金をする『まわし』行為による借金は、返済する気はあったが結果的に支払えなくなったという場合が多いので、そうであるのであれば詐欺罪にはあたらないでしょう。
また、サラ金業者自身も、債務者が多額の借金を抱えているのを知った上で貸し付けをしているのが通常なので、サラ金業者が騙されたとはいえないでしょう。

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Q2既に完済したはずの借金の請求はどうするか
〜しつこいようなら内容証明を出す〜
過去に完済したはずなのに、サラ金業者からある日突然、借金の請求が来ることがあります。
しかし、当然完済済みなので支払い義務はありません。
当時の領収書などによっても完済が確認できるのであれば内容証明を送付して、キッチリと支払う意思がない旨を業者に示しましょう。
また、業者を監督する行政庁(金融庁・財務局・都道府県貸金業指導係)に苦情の申立てをして取立てをやめさせましょう。
それでも、請求や取立てを止めない業者に対しては、慰謝料等の損害賠償請求訴訟を提起したり、自分には債務がないこと証明する債務不存在確認請求訴訟を提起します。

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Q3利息が異常に高くて納得できない
〜利息制限法に引き直す〜
サラ金業者のほとんどが利息制限法の上限金利を超過しています。
利息制限法の上限金利は以下のとおりです。
110万円未満年20%
210万円以上100万円未満年18%
3100万円以上年15%
この利息制限方法を超える利率を約束したとしても、利息制限法は強行法規なので、借主は一方的にその約束を反故することができます。
しかし、利息制限法は強行法規ではありますが罰則がないのでほとんどのサラ金業者は利息制限法以上の金利で融資をしています。
また、利息制限法とは別に出資法という法律がありまして、この上限利率は29.2%になっています。
出資法の上限利率を超えると刑事罰の制裁を受けるので、サラ金業者の多くはこの出資法の上限利率すれすれで融資しています。
また、貸金業規正法では『任意に支払った場合は有効』とする規定はあり、これを『みなし弁済規定』といいますが、この規定が適用されるには多くの制約があるので、決して利息制限法は死んでいないのです。
弁護士による任意整理では、利息制限法で定めた金利以上の部分をまず、利息に充当し、さらに元本に充当し、なおかつ過払いであるときは過払い金の返還訴訟を起こすこともあります。
このように利息制限法で計算していれば、サラ金による借金は通常2〜3割は縮減されます。
なお、カードによるキャッシング債務の利息についても利息制限法の適用があります。

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Q4公正証書というものに基づいて家具を差押さえられたらどうするか
〜請求異議の訴えで対抗できる〜
公正証書というのは、公証人が作成した証書のことで、公正証書に執行認諾文が付いていれば、裁判手続きを要することなく強制執行ができるので、クレジット・サラ金業者は利用することが多いです。
このように公正証書に基づいて強制執行を受けた場合は請求異議の訴え(民事執行法35条)という方法で不服申し立てができます。
しかし、実際の強制執行を停止させるには、請求異議の訴えとは別に強制執行停止決定の申立てをする必要があります。
この場合通常、裁判所から一定額の保証金の納付を命じられます。

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Q57年前の借金の支払義務はあるのか
〜消滅時効を主張する〜
サラ金業者が株式(有限)会社であれば、貸金については5年で消滅時効が成立します。
サラ金業者が個人の場合は10年です(ただし、5年とする見解もある)。
いつから数えて5年(10年)かと言いますと支払いができなくなって一括返済をしなければいけなくなったときからです。
通常の場合、借主には期限の利益というものが認められています。
これは、毎月きちんと約束通りに支払いをしているのであれば残金の一括請求はしない、というものです。
よって、約束を破った場合はこの利益は失われます(契約書には通常『借主が1度でもその支払いを怠ったとき』と書かれています)。
よって、この期限の利益を喪失してから7年の間に業者から何も請求がなかったのであれば、借金は時効により消滅していますので、その旨を内容証明で送ればいいでしょう。
大抵の場合は、この内容証明で請求は止まります。
しかし、注意して欲しいのが、時効の進行期間中に借金の一部を支払ってしまっている場合です。
これは、借金の存在を承認したことになり、時効の利益を放棄したとみなされてしまいます。
また、業者が7年の間に内容証明による請求や支払督促などの裁判手続きをしていた場合も時効は成立しません。
このような場合は調停や訴訟で解決する必要があるでしょう。

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Q6ヤミ金業者から脅迫されていてノイローゼになりそうだが・・・
〜出資法違反で刑事告訴できる〜
最近急増しているヤミ金業者の金利は出資法の上限金利である年29.2%を超えていることがほとんどですので、出資法違反(3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金またはこれらを併科する)になりますので、警察や検察庁に刑事告訴することができます。
また、電話で脅迫された場合は脅迫罪や恐喝未遂罪などが成立します。
後々の証拠にもなるので、脅迫的な電話があった場合は録音しておくよいでしょう。
そもそも、ヤミ金業者からの借金は、出資法違反に超高金利ですので公序良俗違反(民法90条)で無効となり、ヤミ金業者からの金銭の給付は不法原因給付(民法708条)となるので返還する義務はありません。
また、債務者がヤミ金業者に支払った金銭は不当利得となり返還請求ができます(民法703条)。

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Q7年金を担保に取って融資できるのか
〜年金担保融資は違法〜
最近『年金融資』『年金立替え』などのおとり公告を出して、年金証書や預金通帳・銀行印・キャッシュカードなどを取上げて年金を担保に取り、年金生活者を食い物にする業者が増えています。
年金を担保にとって融資することが認められているものに年金福祉事業団がありますが、このような公的機関以外の業者が年金を担保にとって融資をすることは国民年金法・厚生年金保険法に違反します。
また貸金業規制法のガイドラインでも、貸金業者が『運転免許証・健康保健証・年金受給証などの債務者の社会生活上必要な証明書等を徴求すること』を禁止していますので監督行政庁に苦情申立てをして、業者に取上げられた年金証書や預金通帳などを取り返しましょう。
さらに、このように違法行為をしている年金担保業者は、通常出資法の制限利息(年利29.2%)を超えて融資しているので、出資法違反で刑事告訴することができます。

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Q8盗難されたカードの不正使用による請求にはどうするか
〜大至急警察に盗難届を出す〜
カード会員規約にはよく『紛失・東南により、カードが不正に使用された場合の損害は会員の負担とする』と定められています。
しかし、会員が紛失・盗難の事実を警察およびカード会社に届け出た場合は、提出した前後60日(合計121日)以内は支払いが免除されます。
またカード盗難保険により損害の全部または一部を補填させていることもあります。
しかし、以上のような場合でも以下に該当する場合は会員が責任を負うことになってしまいます。
1紛失・盗難が会員の故意または重大な過失による場合
2会員の家族・同居人等によって損害が生じた場合
3戦争・地震等による著しい混乱に乗じて行われた紛失・盗難による場合
4他人に譲渡・貸与し、または質入されたカードによる損害
また、仮に免責されない場合でも、販売店やカード会社に不注意がある場合(販売店が署名の確認をしなかった、盗難届を出したにも関わらずカード会社のミスで与信をした)は、会員は支払いを拒絶できるでしょう。
それでも、会員が損害を負担せざるを得ない場合は、不正使用者に対して損害賠償請求は可能です。

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Q9取立て屋に暴力を振るわれたらどうするか
〜暴力を振るわれたら即警察へ〜
暴力的な債権の取立ては貸金業規制法の取立規制違反ですので取立て屋を同法違反により刑事告訴できますし、刑法の暴行罪にも該当します。
取立て屋を雇用したサラ金業者も貸金業法規制違反で刑事告訴できます。
さらに、債権譲渡をしたり、暴力的取立てを行わせたサラ金業者については、債務者は監督行政庁に、業務停止・登録取消しなどの行政処分の申立てができます。
クレジット債権の取立て屋の場合割賦販売法の取立て行為規制に関する通達に基づき経済産業省に対し、そのクレジット会社に行政指導をするように申立てをすることができます。
以上いずれの場合でも不法行為による損害賠償請求をすることも可能です。

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Q10サラ金業者は白紙委任状と印鑑証明書を要求できるのか
〜白紙委任状は絶対に渡してはダメ〜
そもそも貸金業規制法20条では、一定の事項を記載していない白紙委任状の取得を禁止していて、これに違反した業者は監督行政庁より業務の一部または全部の停止を命じられ、登録を取消されてしまうことがあり、さらに、100万円以下の罰金に処せられます。
クレジット業者も、白紙委任状を取得することは割賦販売法により制限されています。
しかし、サラ金業者はよく白紙委任状印鑑証明書をセットで要求してきます。
これがあれば公正証書や不動産に抵当権の仮登記を設定することができるからです。
公正証書を作成しておけば裁判をしないで直ちに強制執行して、給料・家財道具などを差押えることができます。
また、委任状が白紙であるため、あとから業者が都合のいいようにいくらでも書き足せるため、借主にとっては著しく不都合な公正証書ができ上がっていることが少なくありません。
したがって、白紙の委任状と印鑑証明書を渡してしまうと、自分の知らないうちに思いもかけない不利益を被る事態になりかねませんので絶対に渡してはいけませんし、そのようなことを要求してくる業者からお金を借りてはいけません。

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Q11サラ金業者から訴えられてしまった場合の対処法
〜欠席判決にはしないように〜
裁判所から訴状が届いたのであれば、そこに指定してある日時に必ず出頭する必要があります。
もし、どうしても出頭できないのであれば答弁書を書いてあらかじめ裁判所に提出しておく必要があります。
答弁書も書かずに期日にも出席しないと、いわゆる欠席判決といって、業者の言い分どおりの判決が出てしまうので注意して下さい。
よって、もし、業者の主張に誤りがあったり分割弁済にしてもらいたいと思っているのであれば、裁判所にきちんと出頭した上で、裁判所に対し、サラ金業者と話し合いをしたい旨を申出る必要があります。
和解がまとまれば、裁判所が和解の勧告をしてくれます。
とにかく、訴状が届いたら絶対に無視してはいけません。

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Q12少額訴訟への対処法
〜不服であれば異議の申立てができる〜
少額訴訟制度とは60万円以下の金銭債権の支払を請求する訴訟です。
裁判は簡易裁判所で行い、原則的に一日で審理を終えて判決がでます。通常の訴訟と異なり低額な費用と迅速な結審が特徴です。
しかし利用回数制限(同一簡易裁判所に対し、年間10回まで)があるので、ほとんどの業者が少額訴訟を利用していないのが現状です。
もしも、この少額訴訟を提起された場合に注意を要することは、少額訴訟は1回の審理で判決が出てしまい控訴ができないということです。
反論したいけれど、期日までに準備が間に合わないというときは通常訴訟への移行の申立てをしましょう。
この申立てにより、少額訴訟は当然に通常訴訟手続きに移行します。
以下が少額訴訟の特徴です。
160万円以下の金銭の支払を求める訴えに限ります。
2被告の申立てにより、少額訴訟から通常の訴訟手続に移ってしまうことがあります。
3原則として一日で審理が終了し判決が出ますので、その日までに全ての証拠を準備しておく必要があります。
4判決には支払猶予や分割払いの定めが付されることあります。
5判決に対しては控訴することができません。
ただし、その少額訴訟をした簡易裁判所に異議の申立てはできます。

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Q13業者からの支払督促への対象法
〜不服であれば異議の申立てができる〜
支払督促とは、債務者の意見を聴くことなく裁判所が債務者に対して一定のお金を支払えという命令です。
当然債務者の言い分を聞いたり証拠を調べているわけではないので、債務者はこの支払督促の届いてから2週間以内であれば、裁判所に異議の申立てをすることができます。
この異議の申立てをするには、特に理由は必要ではなく、この異議の申立てによって、通常の裁判手続きに移行します。
異議を申立てると、その2週間くらいあとに口頭弁論期日の呼出状が届きます。
この期日に何もしないで欠席すると、異議を述べなかった場合と同様に、業者側の言い分をすべて認めたことになります。
ただし、書面で答弁書というものを書いて送っておけば、口頭弁論期日に出席したのと同様の効果があります。
仮に異議を申立てなかった場合、業者の言い分がすべて認められることになり、支払督促に仮執行宣言というものが付されることになり、給料や家財道具を差押えられてしまうかもしれませんので注意して下さい。
仮に、仮執行宣言を付されても2週間以内であれば、債務者は異議を申立てることができますが、この異議申立てをしたとしても強制執行が行われる可能性があります。
この強制執行を止めるためには、別途強制執行の停止申立てをする必要があります。
また、異議を申立てなかった場合仮執行宣言付き支払督促が確定し、通常の裁判手続きによる確定判決と同じ効力をもつことになります。
裁判手続きがよくわからなくて不安な場合は司法書士・弁護士などの専門家に相談しましょう。

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Q14偽造カードによる身に憶えのない請求はどうするか
〜当然支払い義務はない〜
最近はスキミングの被害も急増しています。
スキミングとは、販売店に設置されているクレジット会社の信用照会端末にカード読み取り機(スキマー)を仕掛けてカードの磁気情報を盗み、この盗んだ情報を別のカードに読み込ませて偽造カードを作ってそれによりカード会員を装って多額の商品を買ったり転売して利益を得る手口をいいます。
最近はたばこ箱と同サイズのスキマーを使った犯行手口も発覚しています。
これによりカード会員は、カード自体は自分の手元にあるのにも関わらず、自分の知らないところでこの偽造カードが使われているため、後日カード会社から身に憶えのない請求書が届くのです。
こういった場合カード会員が偽造カードによる被害であることを立証できれば当然カード利用代金の支払義務は免除されますが、立証できない場合はカード会社との間で代金支払をめぐってトラブルが生じてしまいます。
こういったトラブルに巻き込まれないためにも、日頃から以下の事に気をつけておきましょう。
1カードを作るときはカード会員規約をしっかり読んでから契約する
2暗証番号は生年月日や電話番号などのわかりやすい番号にしない
3カードは自分で管理しきれる枚数(2〜3枚)しか作らないでおく
4カードを使ったときはその都度日時・販売店・金額をメモしておく
5請求書・利用明細書には必ず目を通す
こういった事を日頃から行っていれば偽造カードが使用された場合のアリバイの立証なども容易になり、万が一被害に遭ったときも救済される可能性が高くなると思います。

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Q15一度支払いが遅れたら残金を一括で支払う必要はあるのか
〜争う余地はある〜
サラ金業者との契約書には通常『毎月の支払を1回でも怠ったときは期限の利益を喪失し、債務者は残元金を一括して支払う必要があり、残元金の支払に至るまでは遅延損害金を付す』といったような期限の利益喪失約款が定められています。
しかし、サラ金業者の中には、債務者の支払延滞後も、そのまま債務者から分割返済を受けており、残元金の一括返済と遅延損害金の請求をしていない業者もあります。
このような場合黙示の合意により期限の利益を再度付与したものと認めて、業者の遅延損害金の請求を認めていない判決が多数あります。
よって、このような場合は、たとえサラ金業者から残元金の一括返済と遅延損害金の請求を受けたとしても、十分に争う余地はあるので、キッチリとその旨を業者に伝えましょう。

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