いなげ司法書士事務所

1回払いとリボ払い

2014年10月16日

キャッシングの返済方法というと、通常の場合はリボ払いが多いです。


リボ払いというのは、決められた限度額の範囲内で借入れと返済を繰り返すのですが、返済方法はおよそ1ヶ月ごとで、借入金額によって最低返済額が定められています。


たとえば、借入限度額が50万円だとすると、毎月1万5000円位を返済することになることが多いです。


よくある事例としては、借入残高が49万数千円で毎月1万円借りては、1万5000円位を返済するというパターンで、これだと借入残高がいつまで経っても減っていかず、もうかるのは貸金業者だけということになります。


これに対して、1回払いというのは翌月に金利を含めて元本も一括で返済してしまうものです。


1回払いはカード会社のキャッシングで時折見受けられます。


なお、ショッピングの1回払いは、金利を付けずに商品代金を翌月一括で返すものであり、これはキャッシングの1回払いとは異なり、厳密に言えば借金ではありません。


最近では、現金で支払えるのにもかかわらず、カード払いにしてポイントを稼ぐ人が多いので、ショッピングの1回払いは通常の方でも利用しています。


ところで、過払い金請求の現場では、返済方法がリボ払いか一括払いかで、貸金業者の主張が異なります。


どういうことかといいますと、リボ払いでは利息制限法で引き直し計算をする際は当然のように一連計算をしますが、貸金業者の中には1回払いは各貸付けごとに個別の取引であると主張してくるところがあります。


そういった主張をしてくる代表的な業者としては三菱UFJニコス、オリエントコーポレーションの2つがあります。


この主張だと、各貸付けごとに個別の取引となるので、利息制限法で引き直し計算をする時も一連計算できなくなります。


また、10年前に発生した過払い金についてはすでに時効が成立すると主張してきます。


これは、過払い金の時効が取引が終了した時から10年とされているからです。


つまり、1回払いだと各貸付けが個別的な取引となるので、今から10年前(平成16年10月)に発生した過払い金については時効になるというわけです。


これに対し、1回払いでも一連計算できるという考えだと、消滅時効の起算点が取引が終了した時からとなりますので、1回払いの取引が継続している限りは、過払い金の消滅時効は進行しないことになります。


では、実際にこのような個別取引の主張が認められるのかどうかについてですが、裁判所の多くは1回払いであっても一連計算を認めています。


よって、1回払いの取引が連続して継続している限りは、仮に、相手業者が個別取引を主張してきたとしても、それほど深刻に受け止める必要はないかと思われます。


ただし、1回払いであってもリボ払いであっても、途中で何年間も利用していない期間があるような場合は、一連計算が認められるかどうかは微妙になってきます。


この点については、そもそもカード会社との基本契約は当初の1回だけであるから、取引の途中でいくら利用していない期間があっても一連計算ができると考えるの妥当であるとは思いますが、裁判例の中には基本契約が1つであっても、途中で長期の空白期間が存在するような場合は一連計算を認めないというものも存在します。


よって、長期の空白期間が存在するような場合は、たとえ基本契約が当初の1回だけであっても、貸金業者側の個別取引の主張が認められる可能性が少なからずあると思っておいた方がよいでしょう。


しかし、単に1回払いであるよう場合は、それだけで個別取引の計算が認められる可能性は極めて低いと思ってよいと思います。


なお、最近になってクレディセゾンも1回払いであることのみを根拠に個別計算の主張をしてきました。


これについては現在も裁判中なので結果がどうなるかはわかりませんが、おそらく裁判所が個別計算を認めることはないと思われますので、こちらの一連計算で算出した過払い金を回収できるのではないかと思われます。


すでに述べたとおり、オリコやニコス、セゾンで1回払いを利用していた方は、個別計算の主張をされる可能性はありますが、それが認められる可能性は低いと知っておくと、いざ交渉する際に有利になると思います。


当事務所でも千葉近郊にお住まいの方や遠方でも事務所にお越し頂ける方であれば、ご依頼をお受けすることが可能ですので、ご自分で過払い金を回収する自信がない方はお気軽にご相談ください。

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