いなげ司法書士事務所

転付命令

2013年02月08日

転付命令とは、債務者が第三債務者に対して有する金銭債権である被差押債権を、差押債権者に強制的に移転させることです。

 

これにより、差押債権者は移転された範囲で金銭債権の満足を得ることができるわけです。

 

なお、転付命令の申し立てをした債権者を転付債権者、転付命令の対象となる被差押債権を被転付債権といいます。

 

この転付命令ですが、債務者及び第三債務者に送達され、確定して初めて効力を有します。

 

もし、転付命令が第三債務者に送達される前に、被転付債権を他の債権者が差し押さえたりすれば、転付命令の効力は発生しません。

 

転付命令が確定すると、転付命令が第三債務者に送達されたときをもって、被転付債権が差押債権者に移転し、その移転した範囲で差押債権者の請求債権は消滅します。

 

これにより、被転付債権は差押債権者のものとなるので、他の債権者が差し押さえたり、配当に加入することはできません。

 

ここで注意を要するのは、差押債権者の請求債権は転付命令の確定により、当然に消滅するので、

 

もし、第三債務者が無資力等で被転付債権を現実的に回収できなくても、請求債権は復活しないというところです。

 

よって、第三債務者の資力が不明であるときは、転付命令の申し立ては躊躇されますが、

 

第三債務者が金融機関等であれば資力の心配はないので、他の債権者を排除して独占的に満足を得られる転付命令の申し立てをするメリットは高いといえます。

 

なお、被差押債権に譲渡禁止特約がついていても、転付命令による債権移転の妨げにはならず、転付命令が確定すれば被転付債権は差押債権者に移転します。

 

また、被差押債権について、債権者が競合していれば、特定の債権者に独占的満足を与えることはできないので、その債権者が優先権を有しない限り、転付命令を発することはできません。

 

転付命令の申し立ては、債権差押命令を発した裁判所に申し立てます。

 

申し立ては、債権差押命令の申し立てと同時でも構いませんし、その後でも構わず、申立手数料は不要です。

 

転付命令を受けた差押債権者が転付債権を行使するには、第三債務者に対して、自分が転付債権者であること、債権差押命令及び転付命令が確定したことを証明しなければいけません。

 

実務上は、第三債務者が金融機関であれば、

 

1. 転付命令の確定証明書

 

2. 印鑑証明書及び受領書

 

3. 代理人請求の場合は委任状及び代理人の印鑑証明書

 

を提出することになります。

 

最後に、転付命令になじまないものをいくつか挙げておきます。

 

1. 将来の給料債権、賃料債権

 

2. 賃借物返還前の敷金返還請求権

 

3. 事故発生前の保険金請求権

 

4. 完成前の工事請負代金請求権

 

5. 未確定の損害賠償請求権

 

 

 

 

 

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